現在午後2時、待ち合わせは午後6時。約束の時間までまだ時間に余裕があるのだが、楽しみすぎてソワソワしてしまう。時計も何回も見るが、時間がなかなか進まないことに苛立ってくる。
今日は12月24日‥‥
恋人がいる身としては一緒に過ごしたいではないか。
「でも、まさかね‥」
恋人は超売れっ子アイドルのHAYATO。12月に入ってから収録続きでクリスマスも仕事だと思っていたし、街中がクリスマス一色になったとしても話題が何も出てこなかったので諦めていたが一昨日、事態は急変した。
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日付が変わってから帰ってきたトキヤは俺が寝ていると思ったのか、部屋に入った途端出迎えた俺に驚いていた。
「まだ寝ていなかったのですか?気にせず寝てくださっても」
「だって帰り遅いから心配で‥‥」
トキヤはいつも起きていたら同じことを言う。
起きているのは俺の勝手だし、今日は何時にも増して遅かったので気になっていたのだ。
帰らない日は必ず連絡をくれる‥それがないと言うことはどんなに遅くなっても帰ってくる証拠だ。
しかしいくら待てども帰ってこないので事故に遭ったのではないかと心配したのだ。
心配したのに‥
見るからに落ち込んでいたのがわかったのか、抱き締めてくれた。
「いつもより遅くなると一言連絡を入れておくべきでしたね、すみません。さぁ、もう寝てください」
「うん‥‥」
モソモソと布団に入り込み、顔だけ出して就寝準備をしているトキヤの方を見た。
(‥‥やっぱり疲れてる)
パッと見た感じでは気が付かなかったが、抱き締められた時に垣間見た表情はどこか疲れた色を帯びていた。
「電気消しますよ」
「うん」
パチンーーーーー
音と共に辺りが真っ暗になった。トキヤの気配が少し離れた自身の布団に‥‥と思ったのだが、足音は段々近づき、すぐ傍で止まった。
「音也‥そのまま聞いてください」
「ん?」
「24日、予定を空けておいてください」
「えっ、24日って‥トキヤ‥仕事は?」
「全日とはいきませんでしたが、夜は何とか‥‥」
思ってもみなかったプレゼントに自然と表情がゆるむ。
「トキヤ、大好き!」
喜びを現したく、ベッドから落ちるようにトキヤに抱きついた。
「大好き‥‥」
何度言っても足りない。でもどこか恥ずかしいのでトキヤの胸元に顔をうずめ、服の裾をつまんだ。
‥‥続かない(笑)
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